映画

【映画感想】「リトル・マーメイド」(字幕版)

話題のディズニー実写映画。
自分にどう映るのかが気になっていた作品です。
ライトな感想を綴っています。

映画情報

公開:2023年6月9日
監督:ロブ・マーシャル
音楽:アラン・メンケン、 リン=マニュエル・ミランダ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
上映時間:135分
キャスト:ハリー・ベイリー (アリエル役)、ジョナ・ハウアー=キング (エリック役)、 メリッサ・マッカーシー (アースラ役)、ハビエル・バルデム (トリトン王役), 他


主演のハリー・ベイリー、私は今回初めて知りましたが元々音楽の世界で活躍されている方のようです。

11歳の時にクロエ&ハリーとしてYouTubeにカバー動画の投稿を始め、2018年にデビューアルバムで2つのグラミー賞にノミネートされています。
また、セカンドアルバムでも1つのグラミー賞にノミネートされているという実力派。

CMで見かけた歌声に、もっと期待が大きくなりました。

あらすじ

『美女と野獣』『アラジン』のディズニーが、あの不朽の名作『リトル・マーメイド』を全世界待望の実写映画化! 世界中から愛され続けている人魚姫アリエルを演じるのは、期待の新人ハリー・ベイリー。 アカデミー賞Ⓡに輝く「アンダー・ザ・シー」などで知られるディズニー音楽のレジェンド、アラン・メンケンと『モアナと伝説の海』の楽曲を手掛けたリン=マニュエル・ミランダの黄金コンビにより、 ディズニー・ミュージカルの新たなる金字塔が誕生する。  美しい歌声をもち、人間の世界に憧れている人魚アリエル。掟によって禁じられているにも関わらず、ある日彼女は人間の世界に近づき、嵐に遭った王子エリックを救う。この運命の出会いによって、人間の世界に飛び出したいというアリエルの思いは、もはや抑えきれなくなる。そんな彼女に海の魔女アースラが近づき、恐ろしい取引を申し出る。それは、3日間だけ人間の姿になれる代わりに、世界で最も美しい声をアースラに差し出すことだった…。

実写『リトル・マーメイド』-映画-ディズニー公式

以下はディズニー・スタジオ公式YouTubeチャンネルより、”「リトル・マーメイド」予告編(90秒)|新たな世界へ、いつの日か私は行くわ|6月9日(金)劇場公開!” です。

この予告編では主演ハリー・ベイリーの美しい歌声も一部紹介されています。
公式チャンネルでは、長尺の予告編や吹き替え版の予告もあります。
日本語版声優のみなさんもとても魅力的です!

鑑賞前/実写化することに対する感想

言わずと知れた、ディズニーのリトル・マーメイド。
いつから知っていたか分からないくらい、幼少のころから観てきた作品です。

学生時代には友人や家族とディズニーシーへ行くたび、マーメイドラグーンにときめいていました。
タオルや筆記用具といったグッズを買っていた時代が私にもありました。

キラキラで、カラフル、きれいでかわいいマーメイド。
赤いたっぷりとした髪に白い肌、大きな青い瞳が海に映えているアリエル。

人間のプリンセスの物語よりも夢をもう一つ大きく魅せてくれる気がして、他の作品よりも印象に残っています。

今回の実写映画化にあたっては、アリエル役のハリー・ベイリーの公表から色々な意見が噴出していました。

・ポリコレ(※)意識の行きすぎか?
・多様性の問題ではなく原作に忠実にしてほしかった
・ディズニーアニメーションの世界観で観たい

※ポリコレとは、”ポリティカル・コレクトネス=政治的正しさ”のこと

かくいう私も、自分の中にあるイメージや観てきたものとは違っていると感じてしまい、彼女を選ぶのはなぜだろうと思っていました。

ディズニーのアニメーションへの意識を強く持っていたことで、勝手に実写化のイメージを自分の中で作っていたんです。

だからといってネット上に飛び交うような強い批判的な言葉は浮かびませんでしたが。

その後、さまざまな媒体で監督へのインタビューを読んでみると、人種(個人的には人種という言葉も違和感があります)や肌の色を指定してアリエル役を決めたわけではないこと、彼女自身の魅力によって選ばれたことが語られています。

なるほどそうなのか、私の見方が偏っていたのかもしれない、と思うと同時に、ひと昔前であればハリー・ベイリーが選ばれることは難しかっただろうとも考えます。

人種の違いによる差別を受けにくい環境(日本に住んでいる日本人で、見た目もそれであること)にいる私だからこそ、この映画の影響を観察したいとも思いました。

もともとディズニーのリトル・マーメイドもアンデルセン童話の『人魚姫』をベースにしており、ある程度改変された物語だということを心に留めつつ、映画を観に行きました!

映画リトル・マーメイドの原作とは

”原作”という表現だと語弊があるかもしれませんが、アンデルセンとアニメシリーズを紹介しておきます。

こちらはディズニーアニメの元となったアンデルセンの童話「人魚姫」です。
ディズニーとは結末が大きく異なるものです。



続いて、馴染みあるアニメーションのリトル・マーメイドです。

2、3とシリーズが続くのはご存じでしょうか。
2はアリエルとエリックの子どもが登場するお話、3はアリエルの幼少時代のお話です。

鑑賞後の感想 / ハリー・ベイリーの歌で納得させられる&細かい設定変更は多め

あらすじを追うものではありませんが、ネタバレもあります。

アリエル役ハリー・ベイリーの歌声

本当にアリエルの歌が素晴らしかった!!!
この事実だけで90%の満足が得られました。

マーメイドにぴったりのこんなに美しい声があるなんて。
表現豊かで美しい歌はたくさんあるけれど、鑑賞している間はこれが世界で一番だと思えるほど素敵でした。

物語ではなく、歌に涙してしまいました。

ぜひ一度は字幕で!
アリエルの声はもちろん、エリック、アースラの歌声も聴いてほしいです。

多様性への意識と設定変更

私が気付いた箇所について書いていきます。
ディズニーアニメを観て、原作も読み直せば新しい発見があるかもしれません。

  • アリエルの姉妹
    7つの海の守護者という設定
    血の繋がりは薄いのか、外見はさまざまで人種が違ってみえる

  • アースラとトリトンの関係
    兄妹である設定

  • エリックの母
    実写映画オリジナルキャラクターとして初登場
    エリックとは人種が違ってみえる

  • エリック自身
    拾い子という設定
    母との血の繋がりがないことが明示されている


初見の私の印象に残っている設定(=違和感?)を書き出してみました。

とてつもなく広い世界で、「海」を支配するトリトン王。
その娘たちがさまざまな外見であるのは実はそこまでおかしいことではないのかも?
娘たちの母は一人であるように語られるのでなんともいえないのですが。
トリトンの話す”妻”とは”アリエルの母”について話なのか、踏み込まなくてもいい箇所なのかもしれません。

私の頭のなかにはすでにあるリトルマーメイドの世界観が植わっているからこその初見の違和感につながるのかなとも考えました。

ラストシーンですが、外見がさまざまであることに加え人間とマーメイドという種族の違い、それらを超えていくアリエルとエリックの心の繋がりの表現や演出には、多様性への意識を感じました。

ストーリー全体の感想

ディズニーアニメーションの世界観に基づき、ストーリーの進行もほぼその通りに進んでいきます。

最後はきっとハッピーエンドだと知っているからこそ、安心して観ることができ、映像を楽しむことができた作品でした。

登場人物の裏側、つまりどうしてその人格になったのかなどが分かるようにエピソードが追加されている場面もありよかったです。

それぞれの立場での言動・行動に深みが増し、キャラクターが際立つように思いました。

一点、なんで!と思ったのがアースラの肉体的な弱さです。

終盤に自分の思い通りにいかず怒り狂ったアースラにアリエルとエリックが立ち向かうシーンがあります。

そんなことで倒されるわけないという倒れ方をするのが、肯定的に観ようとする姿勢をもってしても、つっこみを入れざるを得ないのです。

そこで一瞬現実に帰ってしまう感覚があって残念なポイントでした。

それ以外は劇中の音楽も楽しく、ある程度の設定変更や追加も受け入れ、満足しながら鑑賞し終えました。



以上、映画の感想でした。

色んな表現があっていいし、新しく素敵なヒロインが誕生したことがうれしい作品でした。

SNSでは同じ肌の色のアリエルを観る子どもたちの驚きや喜びを映したショート動画がよく出回っています。

色々な意見はあるけれど、少なくとも間違っていないのだと教わるような気分です。

また、アリエルと海へ深く潜っていく感覚や、音楽や歌のダイナミックさは劇場だからこそ味わえるものだと思います。

映画館で観ることをおすすめします!


終わり。

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