映画

【映画感想】「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」

ずっと公開を待っていた映画、初日に観てきました!
誰と観ても楽しめる一本です。

映画情報

公開: 2023年5月26日
監督:渡辺一貴
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
上映時間:118分
製作国:日本
配給:アスミック・エース
ジャンル:サスペンス・ホラー
キャスト:高橋一生、飯豊まりえ、長尾謙杜、安藤政信、美波、木村文乃


ルーヴル×岸辺露伴、映画として実現したことがとてもうれしい作品でした。
テレビシリーズの続きとしても、単独の一本の映画としても、楽しめます!

あらすじ

特殊能力を持つ、漫画家・岸辺露伴は、青年時代に淡い思いを抱いた女性からこの世で「最も黒い絵」の噂を聞く。それは最も黒く、この世で最も邪悪な絵だった。時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は取材とかつての微かな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館職員すら「黒い絵」の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる…。

ABOUT THE MOVIE-映画『岸部露伴 ルーヴルへ行く』公式サイト


以下は配給のアスミック・エースより映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」本予告です。
個人的にはルーヴルが映るだけで観たい気持ちも高まります。

原作はフランスのルーヴル美術館とフュチュロポリス社(出版社)が2005年より実施してきたBD(バンド・デシネ)プロジェクトの第5弾として、2009年に発表された荒木飛呂彦の漫画作品です。
バンド・デシネとはフランス・ベルギーなどを中心とした地域の漫画のことを指します。

ネタバレあり感想 / 映画館で観て損はない&この世界観が好き

あらすじを追うものではありませんが、ネタバレもあります。

初日から特典(左のステッカーのみ)が貰えました。
チェックしていませんでしたが、こういうのうれしいですよね。

鑑賞特典ステッカーと本
左:映画鑑賞特典のステッカー、右:原作「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」B5判

特に良かったところ

冒頭の故買屋での露伴

露伴の「ヘブンズ・ドアー!」が聴ける冒頭の故買屋の場面、とっても良かったです。
映画単体で楽しむ人への自己紹介のような場面でもありますが、この映画の世界観へ引き込む素敵な入口だったと思います。

奈々瀬が去ったあと、露伴のお祖母さんの返答

奈々瀬が去ったあとで彼女について質問しても、お祖母さんが要領を得ない返事をするのがよかったです。
現実にいたのかどうかその時点ではよく分かりませんが、ラストまで観てから思い返すと、答えが見つかるような分かりやすさが追加されていました。

やっぱりサインはくれる露伴

ルーヴルでファンの青年たちになんだかんだ言いつつ高速でサインをあげる場面も彼のキャラクターが出ていて好きなところです。
ネチネチとしたセリフあってこその露伴ですから。

少し残念に思ったところ

露伴の少年時代

露伴があまりにもふつうの少年で、奈々瀬は狂気の人のよう。
原作でもそこは変わらないのですが、少しの見せ方の違いで違和感が大きくなっていくかんじがありました。

ルーヴルの映りの少なさ

ルーヴルに関しては、もう私のわがままでしかないです。
もう少し観ていたかった!

全体の感想

原作にはないオリジナルの要素があってこそ映画の尺になったのかなという気はします。

  • モリス・ルグランの絵
    黒い絵に辿りつくまでの過程にモリス・ルグランという画家を登場させたことで、ストーリーに入り込みやすくなりよかったと思いました
  • 奈々瀬と仁左衛門の過去の場面
    また、過去編で奈々瀬と仁左衛門の裏側やいきさつを描いてくれたことは原作の理解の一助になりました

    しかし私の場合は、説明の丁寧さゆえに、想像で補ってきた部分が詳細に映像化されていたことにすこし混乱しました

    あってしかるべき場面なのですが、露伴の世界観のなかにいたところ突然に時代劇が始まったかのような違和感を感じました

    悪くはないけれど、若干長く感じたのはそのせいかもしれません

以下好きだなーというところを徒然と。

  • 飯豊まりえさん
    スタイリングには毎回目を奪われますし、作中「黒い絵」を観てもなんともなかったという、実は強運や不思議な力があるかもしれない設定にも惹かれます

  • 高橋一生さん
    実写に耐えうるというより、むしろ正しく現実にせり出してきた人のようで今回も魅力がありました

  • 美波さん
    フランス語と日本語を操る美波さんの演技も素敵で、すごくリアルな人物だったと思います

  • 音楽
    最高に怪しくて、重厚感があって、大好きです


間違いなく楽しむことができた映画になりました!
ストーリーももちろん重要ですが、その世界観によって観ているだけでなにか満たされるような映像の美しさがあって、観て損はないと言えるなと思います。

原作について

先に読んでいるなら原作の補完として映画を楽しめますし、後に読んで荒木飛呂彦氏の世界に触れるきっかけとしてもいいと思います。

映画公開が決定した頃、一時在庫切れが続いていましたが現在は購入可能のようです。
形態に種類があるので、合うものを選んでみてください!

サクッと読める荒木飛呂彦作品のオススメも載せておきます。

【B5判大型フルカラーコミック】岸辺露伴ルーヴルへ行く(2011/5/27発売)


大判でフルカラー。
さきの写真に写っている私の所有しているコミックはこちらです。
荒木飛呂彦氏の絵を存分に味わうには、この大きさがちょうどいい!
表紙はでこぼことした線やツヤのある加工がキレイで、家の本棚に飾っています。

現在取り扱いが少ないようですが、同じ大きさでフランス語版”Rohan au Louvre”も出版されています。

【新書版/電子版フルカラー】岸辺露伴ルーヴルへ行く(2023年4月4日発売)


手に取りやすい大きさで、フルカラーであることは変わらず。
映画公開を前にやっと電子版と新書版が発売になりました!
待っていた方も多いのではないでしょうか?

リンク先で電子かコミック(紙)か選択できます。

【全2巻】岸辺露伴は動かない 1 (2013/11/19発売)


全2巻。
大人気の漫画家・岸辺露伴は作品づくりのためリアリティを追求することを大事にしている。様々な取材先で体験する尋常ならざるエピソードが描かれていく。

1巻では「懺悔室」「六壁坂」「富豪村」「密漁海岸」「岸辺露伴 グッチへ行く」の5編が、2巻では「望月家のお月見」「月曜日 天気-雨」「D・N・A」「ザ・ラン」の4編が収録されています。

※太字がテレビシリーズで既に実写化されている作品です

漫画ならではの描写がたくさん見られる大好きな作品です。
テレビシリーズで映像化されていないものも多く、一読の価値アリです!

【短編集】死刑執行中脱獄進行中(1999/11/19発売)


表題作が特におすすめです。
不思議な作品タイトルにどういうことだろう、と興味を持って購入した一冊です。

死刑執行と脱獄が同時に進行していくとは?
ラストまで読めばその理由がちゃんと分かります。

【同時収録】
「ドルチ ~ダイ・ハード・ザ・キャット~」
「岸部露伴は動かない ~エピソード16:懺悔室~」
「デッドマンズQ」





以上、感想とおすすめの紹介でした。

「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズという大作を読むのは一歩踏み出しにくいと感じる方にも、上記の作品がおすすめです!

不思議で少し怖い、奇妙な世界観をぜひ楽しんでください。

終わり。

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