展覧会

「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」東京都現代美術館

事前予約チケットがどんどん売切れていくこの展覧会。
行ってきたので、一部写真付きで紹介します。
館にブログへの写真使用許可頂いています。

概要

「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」
会期:2022年12月21日(水)- 2023年5月28日(日)
会場:東京都現代美術館

パリに始まり、ロンドン、ニューヨークと世界各地を巡回してきた大回顧展です。
残念ながら日本では東京のみの開催です。

創設者クリスチャン・ディオールが影響を受けた芸術から、彼の庭園に対する愛、豪華な舞踏会の魔法、ディオールのコレクションに最初から影響を与えていた日本の豊かな創造性への魅力など、素晴らしい発見を伴う75年を超える情熱にスポットが当てられています。ユニークなコラボレーションと相互への賞賛によって結ばれたこの揺るぎない友情は、ほとんどが初公開となる貴重なアーカイブ資料によって映し出されます。

東京都現代美術館-Christian Diorより引用


一般が2,000円と、この程度の料金もよく見かけるようになってきました。
このチケットで「MOTコレクション」も観ることができます。

オンライン予約について

まず、チケットを取るのが大変でした。
3月に行こうと考えてオンライン予約優先チケットサイトを見に行くと、行きたい日はあっという間に売切れてしまいました。

思い出したときにはサイトを見るようにして、キャンセル分をなんとかゲットしました!
ですから、売切れで諦めずに何度もチェックすることをオススメします。

昨年の東京国立博物館の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」も凄まじい人気でしたが、それに次ぐ人気ではないでしょうか。

コロナ禍を経て、事前予約が当たり前になりましたね。
とても便利になったと思う反面、スマホを持たない世代にはチケットを取ること自体のハードルが高くなっていることに気付かされます。

振り返りと感想

洋服の持つ特別なパワーでディオールへの憧れが増すような素敵な展覧会でした!
13のセクションからなる構成で一つ一つの空間の演出が美しかったです。

観てきたなかで、書き留めておきたいセクションとルックを辿っていきます。

エントランスを入ると、「ニュールック」の展示です。
コレクションのためのスケッチとともに、ディオールの歴代クリエイティブディレクターによるモノトーンのルックが並びます。
透明の椅子は、吉岡徳仁《光のメダリオン》です。
モノトーンの空間に光を反射させていて美しかったです。

会場風景より


特に印象深く感じたのは「ディオールと日本」の展示でした。
ディオールは日本に最初に進出した西洋のファッションブランドだそうです。

展示されるオートクチュールコレクションのドレスは、浮世絵や桜、着物、など日本文化からの影響が見られます。

日本の良さや特徴を濃く打ち出したデザインは魅力的で、流れていくような立体的な和紙による展示背景とひじょうに相性が良く居心地の良さを感じられました。
伝統的な素材ではあるけれど新しさもあって、これまでに見てきた展覧会のなかでももっとも記憶に残る背景となりました。

ジョン・ガリアーノによる葛飾北斎《富嶽三十六景》より着想のドレス
会場風景より
会場風景より


続いて、歴代クリエイティブディレクターのコレクションを個別に紹介する展示です。
個別に見ていくと、それぞれのディレクターの個性がより際立ちます。

ジョン・ガリアーノのルックを見たときに、既視感を覚え、かつ強烈に惹かれました。
考えてみると彼の在任期間は私の生きてきた年代とも重なるため、私の持つディオールのイメージを作った人でもあるのだと気付きました。

マリア・グラツィア・キウリ(在任2016~現在)
ジョン・ガリアーノ(在任1996~2011)
クリスチャン・ディオール


続いて、技術を紹介する展示「ディオールのアトリエ」です。
白の生地からこんなにも様々なデザインが作られていくのです。
無限の可能性が広がっていて、じんわりと、その仕事の深みに感動しました。

会場風景より(手前のドレスは回転して、細部を鑑賞できるようになっている)
会場風景より


続いて、ディオールのカラーパレットを紹介する展示です。
なんて可愛い・・・!
ミニサイズのドレスや小物に至るまで、すべてが夢のように並びます。

会場風景より


続いて、「ミス・ディオールの庭」の展示です。

ディオールに花のイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?
私は近年人気のブックトートや、香水にもそのイメージが強くあります。
ノルマンディーで育ったクリスチャン・ディオールは庭づくりが好きだったそう。
水面に立つようにみえるドレスの数々は大きなグラデーションを描きます。
また、展示室全体を包む紙の草花は柴田あゆみによる切り絵作品です。

会場風景より
会場風景より
会場風景より


終盤、巨大な階段のような展示空間にドレスが並ぶ「ディオールの夜会服」です。
全体風景は圧巻でした。
ぜひ、現地で見ていただきたいです。

前列右から二番目はクリスチャン・ディオール



最後に、今回の展覧会で大好きになった映像作品を紹介します。
中盤あたりで歴代のディオールのCMやプロモーションを流している部屋があり、そこで観た作品が公式YouTubeにもありました。

Dior Autumn-Winter 2020-2021 Haute Couture「LE MYTHE DIOR」

”神話”というタイトルがぴったりの世界観です。
人魚や森のニンフたちにディオールがドレスのミニチュアコレクションを見せて、好きなものを選んでもらい、それぞれの身体に合うようドレスをつくって・・・というストーリー。
イタリア人映画監督マッテオ・ガローネが特別に制作したものです。

これを機にさまざまなコレクションに付随する映像作品も観てみよう!と思いました。
徹底的に作りこまれたものの魅力ってなんでしょうね。
ぐぐーっと惹きこまれて戻ってきたくなくなる感覚。
コレクションラインなんて自分には縁がないし、と思ってしまうこともあるけれど、人間のクリエイションにこれほど感銘を受けている自分の感性のためにも、”必要”なものだったと思い直しました。






ここまで、私個人の趣味で写真を選び紹介してきました。

今回の展覧会は、Christian Diorという素晴らしい仕事をするメゾンを余すところなく紹介し、受け継がれてきた美しさや強さに感動するものでした。

展示空間に足を踏み入れると背筋をぴっと正して歩きたくなるし、自分が今後どんな装いで生きていきたいか、なんてことまで考えてしまいました。

世界の一流ハウス(フランスのものだけではないですから)の展覧会は時折日本でも開催され、私もその時々観に行きますが、目前にしていられる時間はほんとうに短いものです。

まだまだ観ていたい、そんな気持ちになりながらなんとか帰ってきました!

私、残念ながらディオールのものは何一つ持っていないんですよね。
いつか、何か特別な品を購入したくなったときにはきっとディオールも検討していることでしょう。笑

また、素敵な展覧会を観たときにはブログにしたためます。

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